岸井ゆきのが演じる終末医療ドラマ「お別れホスピタル」第2話あらすじと感想

先週の放送から早くも1週間。2話「摂食障害」。

終末医療病棟で繰り広げられる、死を迎えること生きるということの意味を問いかける温かで切ない物語。

Charaの曲が絶妙なタイミングで流れてくるのがとても素敵なドラマです。

岸井ゆきのが演じる終末医療でケンさんを愛する幸村ヨシのストーリー

入院患者の幸村ヨシ(根岸 季衣)は、認知症を患っていますが、お気に入りの男性看護師がいます。南啓介(長村 航希)が幸村のケアを行うたびに、キスをせまったり、抱き着いたりしながら「ケンさん、ケンさん」と呼びます。

しかし南はケイスケなのでケンさんではありません。看護婦長の赤根(内田慈)が息子にそれとなく尋ねてみるも、夫の名前でもない。

教育者の夫婦で真面目に生きてきたので、最後ぐらい羽目はずしてくれてもいいのに、と息子は言う。既に羽目外しまくってますが、息子は知らない。

南は担当から外れ、看護婦長が食事の介護をしますが、暴言を吐きケンさんから引き離そうとしてるでしょ!と暴れます…かわいいですね、20代前半と思っているらしい。

原作コミックではもっと過激な発言でした。ケンさんと〇〇〇したい!って、性欲丸出し発言でした。(笑)

南が担当から外れてから、食事をとらなくなってしまった。南は見かねて再度担当になり、喜び抱きつく姿を息子が目にする。息子は、本音を言えばあの姿をみると母に対する嫌悪感がないといえばうそになるが、今の母は幸せそうだ、と。

恋の力は最後まで捨てられない、生きる欲求なのか生きる原動力なのか、と話す辺見(岸井ゆきの)と赤根。

ずっと生真面目に生きてきて、人生最後の時期に本当の自分の姿を曝け出すことが出来たんでしょうね。知り合いのおばあちゃんも、認知症になり90歳過ぎてからお下劣な自作歌をずっと歌ってました。(笑)周りの人は大爆笑でしたが。

ケンさんが誰だか、の謎はわからないままでした。

岸井ゆきのが演じる終末医療で、夫を介護し沼から抜け出せない妻

久田今日子(高橋惠子)は介護疲れで倒れてしまったので、夫と同じ部屋に入院している。

夫はひとりで入院しているときは夜中に衝動的に暴れたりしていたが、今日子がとなりに入院してからは穏やかな生活を送っている。「オイ」というだけで今日子は何がしてほしいのか理解している。

すごいですよね、「オイ」だけで何かわかるなんて。私だったら「なに?」(怒)ってなります。

1話で認知症が進んだことで暴力をふるう夫に、人工呼吸器をつけて1日でも長生きしてほしいと懇願した妻(泉ピン子)と今日子は売店で出会い、話をする。今日子は8年自宅介護をしていたことを告白し、1日でも長く生きてほしいと言える貴方が羨ましいと言う。

辺見は今日子の異変に気が付き話を聞くと、

「夫の事がずっと嫌いだったのかもしれない。52年間夫の願うように先回りして行動してきた。24時間介護生活で世話に明け暮れても妻を思いやることもなく、自分が快適に生きることが妻の喜びと思っている。私は夫の手足じゃない。ひとりになりたい。」と。

大勢の妻が思っていることじゃないでしょうか。平等になりつつある男女の差ですが、まだまだ妻の負担が多い世の中。それでも相手を思いやる温かな言葉や行動があるかないかで、大きな違いがあります。

今日子が退院すると夫は容体が悪化し最期の時がやってくるも、夫に近づこうとはしない妻・今日子。「俺がどうしてほしいか一番わかっているのはおまえだろう」と夫の声が今日子だけに聞こえる。

妻の名前を呼び続ける夫に、今日子は枕を整えて頭を置いてあげる。そして耳元でそっと「これでもういいでしょ、はやく逝ってください。」とささやくと夫はそのまま静かに逝ってしまう。

19歳の時「君じゃないとダメなんだ」と求婚されてからずっと今日子は夫のその言葉に呪縛されていたのかもしれません。52年間、疲れ切ったのでしょう。

それにしても高橋惠子さん、品があってお綺麗でした。

岸井ゆきのが演じる終末医療で看護婦長・赤根涼子はクセ強キャラ

内田慈さん扮する、クセ強の赤根恭子を恐れる患者は多い。シングルマザーの赤根には高校生の息子がいます。辺見が赤根の自宅へ送り届けると、息子がおでんを作って待ってくれています。

調理しか栄養士、もしくは食品メーカーに勤めることを夢見て日々料理修行をしている、エプロン姿で天然巻髪の一風変わった息子。大学受験をひかえています。

辺見はふたりの仲睦まじい姿を見て、幸せな気分になります。

赤根は変な咳をしていますが、熱はありません。大丈夫なんでしょうか。

岸井ゆきのが演じる終末医療で胃ろうの患者と隣の患者

胃ろうの患者に孫がお土産を持ってきます。口に入れる寸前に辺見が発見し、阻止すると患者の妻が逆切れし「あなた、残酷だわ。」と。

辺見が残酷と云われたことで落ち込んでいると、看護婦長の赤根に「あなたには、この人に言ってもいいのかな、と思わせる何かがあるのよ、それを言わせるのも大事な仕事だよ。」と優しく諭します。

胃ろう患者の隣では喉から管をつなげて言葉を話せない患者(きたろう)がいます。呼び出しベルを何度も押し、看護師を呼び出しては、隣がうるさい、とメモを渡します。赤根を押して足を捻挫させたりもします。

辺見は医師の広野と話していた時に、今日子さんはひとりになりたいと言っていたけど、夫の食事の世話をしていた時不幸そうに見えなかった、というところから人は美味しそうに食べているところを見ると幸せになるのでは?と思いつく。

そういえば、赤根さんちで息子とおでんを食べているときも2人の姿に幸せに感じた。

辺見は胃ろうの患者に口から食べ物を摂取できる訓練を受けさせる提案します。残酷ね、と言った妻から謝罪と御礼を言われます。食べるって幸せの一つですもんね。

食べる訓練を始めた隣で、管がつながり話せない大戸屋次郎(きたろう)は赤根を呼び止め、メモ紙を投げつけます。胃ろう患者の孫がカーテンをくぐって、「おじいちゃんはまだ食べられないからあげる。」とキャラメルを渡します。嬉しそうに口に入れます。

赤根は「なんだ、寂しかったんだね。」と笑って、キャラメルの紙で小さな鶴を折りだします。それを優しい顔で眺める大戸屋。温かな場面です。

大戸屋は胃ろう患者のところに面会にくる家族が羨ましかったんでしょうね。孤独を感じていたのでしょうね。

岸井ゆきのが演じる終末医療現場、第2話のまとめ

辺見と医師・広野(松山ケンイチ)が居酒屋で話すシーンが印象的でした。

今日子の話題から、「家族が一番って、脅しっぽいですよね。」と辺見。広野は「近しい存在だから抜け出せない、沼みたいで。」辺見が「沼?」広野は「(沼のこと)愛とも云う」

深くても浅くても傷つく沼(愛)。なんだか、とてもしっくりくる表現です。

最後のシーンでは、辺見は今日子にばったり会い、「どこも身体は悪いところはないです。夫のいない生活にはまだ慣れてませんが。」と聞きます。

ひとりになりたい、と思っていたのに、いざひとりになるときっと寂しかったりするのでしょうね。沼から抜け出したはずなのに、実際には抜け出せていない、感じですかね。

第2話のなかにもぎっしり詰まった物語。全4話しかないのにどういう展開になるんだろうと思っていたら、とても凝縮してうまく表現してあり、すてきなドラマになっています。

それにしても、赤根さんの咳、気になります。第3話でどうなるのでしょうか。

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