闇が深い!おもしろすぎるドラマ「仮想儀礼」驚愕の展開8話

NHKBSドラマ「仮想儀礼」。金儲けのでっち上げ集団の笑えるドラマかな、と思って毎週観ていたら、8話『明らかになる』では、このドラマの深さと本当のおもしろさと怒涛の展開!ほぼあらすじ書いちゃいます。

闇が深くて面白すぎるドラマにマスコミと警察と税務署が来る

前話の終盤に「聖泉真法会」に警察が来て、石坂(石橋蓮司)経由から購入した仏像が、ネパールの盗品だったことがわかる。内部でしか知り得ない情報も含まれていたため、内部の人間が情報をリークしているかもしれないと疑心暗鬼になる。

そこへ週刊誌の記者が鈴木正彦(青柳翔)を訪れ、カルト宗教団体「恵法三倫会」の回向(えこう)と石坂の悪事を暴くのに協力してほしいと懇願する。

暴露系Youtuberもこの二人のマネーロンダリングのしくみを追求し、政治家の名前まで特定します。

なんだか、本当の話レベルの内容ですね…宗教団体と金と政治家。まさにリアル社会での問題。

「聖泉真法会」に国税局もやってきます。そして信者はどんどん脱会していきます。石坂の会社にも国税がはいりますが、逃げようとした石坂ですが、逃げれませんでした。

国税の狙いは、もっと他の大きなターゲット(政治家)ではないかと察してくる。

闇が深くて面白すぎるドラマで宗教の中で生きる人の苦悩 島森麻子Ver

カルト宗教団体「恵法三倫会」の元信者・島森麻子(河合青葉)は、「聖泉真法会」に入信してきたが、情報をリークしているのではないかと疑われている。

見かねた矢口誠(大東駿介)が『やめたほうがいいんじゃない?』と切り出すも、麻子は「恵法三倫会」を辞めた時に焼け野原に放り出された気持ちだったと告白する。自分で決めないといけないことを教団に決めてもらっていた、と。

麻子は、いつのまにか、一人じゃ何も決められない人間になってしまった、教団無しでは生きていけない人になっていた。信仰って怖いですね、と。

洗脳は英語のBrain wash(ブレインウォッシュ)からそのまま日本語になったとか。脳を洗う、すなわち人の考える力を、宗教の考えに塗り替えてしまうのでしょうか。不安を取り除くための宗教なのか、宗教に縛るために不安を植え付けるのか。深い話です。

闇が深くて面白すぎるドラマでしらばっくれる教祖、キレる教祖

「聖泉真法会」の教祖・正彦は、週刊誌に事実をぶちまけると発売された週刊誌を読んだ石坂から『おまえがしゃべったんだろう』と電話がかかってくる。

『そんなこと、ないでしょ~、記事を読んでびっくりしましたよ』としらばっくれる正彦。「恵法三倫会」の買収疑惑に加担していた石坂に『恵法三倫会のごときの子分に見られて迷惑なんだよっ!』と声を荒げる正彦。

いつもは温和で冷静なトークをする正彦がブチ切れるシーンは笑いがでます。

『ごとき、だと~、おいテメエ、そんな口の利き方をしてるとよオ~』と恫喝しようとした石坂の言葉を遮るように、『してたらなんだよオ!!!都庁ってのはヤクザも右翼も活動家も押し掛けてくんだよ、そんなところで十数年も仕事してたんだ、元役人をなめんじゃないっ』とブチ切れる正彦。

もう、ふたりの電話しながらの顔、顔。わるーい言葉を使って、わるーい事言う人はこんなわるーい顔で言うんだな~、と改めて観たら笑いが止まらない。

闇が深くて面白すぎるドラマでは、信じる者は救われる?

マスコミや国税の騒動の渦中、「聖泉真法会」の信者はどんどん減っていきますが、設立当初からの信者・広江(石野真子)と圭子(峯村リエ)は、教祖を信じてください、と少なくなった信者たちに訴えるも、『マルサに疑われるようなことをしたのですか?』と正彦に質問が投げかけられる。

正彦は、架空の領収書発行や税金対策のためのネパール病院話を思い出しながら、『しました、脱税や違法行為なのかは司法が判断するでしょう。私の教えを少しでも広めるために多少のグレーゾーンは許されると思っていましたが、私は愚かでした。今回の件は自業自得です』と答えます。

広江と圭子のおかげで真実を告白できた正彦。

鈴木(青葉翔)が教祖だったはずですが、2人の信者に助けられ、お互いを信じあって救われたのかもしれません。

そこへ「聖泉真法会」が寄付していたネパールの病院が臓器売買の殺人病院だったという週刊誌の記事が。はたまたTVではその出版社へ襲撃した「聖泉真法会」の信者が。

信じていただけに、過激になる信者。何を信じて何を信じてないのかもうわからない。

そこへ悪を暴くと言っていた週刊誌記者が不倫のネタで脅され、今後は手を引くことになる。

闇が深くて面白すぎるドラマでの宗教で生きる人の苦悩 矢口誠Ver 神シーン

てんやわんやのなか、ちっとも姿を現さない誠を訪ねる正彦。部屋にはなぜか麻子がいます。ただならぬ関係に気が付いた正彦は驚きを隠せません。

仏像のことをリークしたのは、「恵法三倫会」をつぶすために誠がリークしたのだということもわかる。そして、誠が幼い頃から「恵法三倫会」の信者だったことを明かす。

まるで、〇〇容疑者の話のようで切なかったです。母親が宗教に陶酔し、子供は判断することもできず当たり前のように入信しています。そして、何かのきっかけに何かが違うと感じるのですね。

誠のセリフに『みんなそういう目つきで見るんだよ、宗教の子だ、って。自分が常識人で俺らが異常だって思ってるだろ、何でも自分で決断して選択してると思ってるだろ、そう信じてるんだろ

『お前らだって一方的に与えられたものを無条件に受け入れて生きてる。資本主義、学歴、顔面偏差値、メディアとか誰が作ったかわからない価値観を当たり前に受け入れて、信じて、それ信仰しているのと一緒だろ、自由な意思って何、どこにあるの』

『結局どっちがマイノリティかって差しかそこにはない。』

考えさせられる内容です。信仰宗教を信じている人を色眼鏡で見ている側も実は何かに囚われているのかもしれない。

誠は母のもとを離れ、ネットで社会に溶け込むことで元信者だったことを隠して、捨てて生きてきた、そしてそれは母親を捨て続けていることなんだ、と。

正彦は『お前が母親を捨てたんじゃない、捨てられたんだ、自分を罰するみたいに生きるな 』と。『なぜ教祖役を押し付けられたかわかった、救ってほしかったんだろ、神が人類を創ったんじゃない、人類が神を創ったんだ、なぜなら必要だったから。』

正彦は『お前が創った神だから、言うよ、お前を許す』と誠に伝えます。『もう大丈夫だから』と抱きしめます。誠は大泣き。

この後半のシーンは泣けました。大東駿介さんの演技、素晴らしかったです。感情爆発、感動の演技でした。青葉さんもまた、愛のある言葉がジーンときました。神回というか神シーンといっても過言ではありません。

このシーンでいろいろ書きたいことがあるのですが、ここには書ききれません。ぐるぐるまわる感情や思考は人それぞれだと思います。でもみんなどこかで、大丈夫だよって言ってほしい気持ちはありますよね。

8話 まとめ

でっちあげインチキ宗教団体のおもしろ話と思いきや、宗教だけではなく社会や人間模様やたくさんのことを目まぐるしく考えさせられる興味深い社会派ドラマです。

この8話は、一番感動的な回でした。(9、10話も更に感動するかもしれませんが)

あ、そういえば石坂さん死亡で発見されてました、事件でしょうか事故でしょうか。来週から本当の地獄が始まる、と言ってました、楽しみです。

NHKBS放送だけではなくNHKで再放送されたらいいですね。もっとたくさんの方に観てほしいドラマです。

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