エライザ演じるみどりがこだわり追求するドラマ、第4話感想後編

NHKBSプレミアムドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」第4話感想後編です。

エライザ演じるみどりが知った、こだわる図版とこだわらない図版

天童が引連れてきた学生アルバイトの活躍もあり、見出し語チェックが予定よりも早く終了。次は図版再検討会議へとすすむ。辞書に掲載するイラストの再検討会議だ。

以前の西岡の担当だったが、志半ばで移動になったと、とても感情を込めて話す馬締。みどりは、馬締が西岡のことが大好きなことを見透かす。辞書編集部には馬締が適任者だと推薦してくれたのが西岡だった。以前、馬締は営業部だったが、迷惑をかけた記憶しかない…と。

事務員・佐々木が西岡と馬締は人事部で取り違えられたと思ってる、と言ってました。ホント、それあり得ますね。(笑)

先ず、図版はアルパカの首、短くないか問題。毛が多くて首が短く見えるので、毛を少なく書いてもらうことに決まる。

河童って徳利持ってたか問題。河童の絵から「何かにこだわっていたのか?」が話題に。現代の「こだわる」【俗用】で本来の意味とは違い、良い意味で使われることが多いが、本来は悪い意味だと。

河童と言えば徳利というイメージってどうして、ついちゃったんでしょうね。

【こだわ・る】①心が何かに囚われて、自由に考えることができなくなる。気にしなくてもいいようなことを気にする。④他人からの働きかけをこばむ。なんくせをつける。

赤ちゃんが全員天パ問題。4枚あるイラストに描かれている赤ちゃんが全部天パ(髪が巻き毛)の絵。赤ちゃんを説明する図版ではないので、そのまま採用することになる。

イグアナ、スペース取りすぎ問題。尻尾を巻けばいいというみどりだが、佐々木は混乱招くのでやめたほうがいい、と。

丑の刻参り、頭のろうそく2本か3本か問題。佐々木が3本がいいという。午前2時は真っ暗闇なので藁人形を打つときに見えない、という。何故知っているのか?はスルー。3本に決定。

古いものでは10年以上に書いてもらったものもある。何故イラストが良いかと言うと、誇張して描かれていることでイメージとして残りやすいし、河童や恐竜は写真には取れないので。

エライザ演じるみどりがこだわることを捨てる?

みどりは香具矢に良い方の「こだわり」を聞いてみると、お客さんから美味しいと思われたい「こだわり」はあるが、その為には本来(ネガティブな方)の「こだわり」は持ちたくない、と。

香具矢がお客さんから欲しい言葉は、たった4文字「おしいしい」。みどりは、そうですよね、好きな人から言ってほしい言葉もたった2文字。みどりは幼い頃にでていった母親を思い出す。

香具矢は「言ってほしい言葉って、言いたい言葉でもある。みどりちゃんの方から言っちゃえば、こだわりなんて捨てちゃえば。」と静かに縁側で語る。

年に2~3回しか大笑いしない香具矢さん。とても静かな口調で少し微笑みながらみどりと会話します。みどりの心を読んでいるかのような、穏やかな口調の下に隠された核心。スパイス的な存在で魅力的です。

エライザ演じるみどりが、こだわる図版を見つける

イラストレーターに連絡すると、既に亡くなっていた。電話に出た息子が代わりに修正してくれることになった。みどりは河童の徳利のこだわりを聞いてみた。息子は特にないと思うと言う。

「亡くなったお父様の絵に修正をいれるのは、辛さとか抵抗はないですか?」と尋ねると、息子は「いえ、全然。自分の絵になんのこだわりもない人だったので。」「自分の絵に愛情とかこだわりとかなくて、言われたとおりにお金のために絵を描いていたので。なんのこだわりもなく。」

西岡に連絡すると、河童の徳利は西岡のアイデアだったことがわかった。河童と言えばルンパッパですかね~(昔河童が徳利を持っているCMがあった)と。

図版修正がデーターで送られてくる。河童は徳利をもってなし、丑の刻参りはろうそくが3本になって藁人形が見やすくなった。馬締の提案で、亡くなったイラストレーターの仏壇に手を合わせに行く。

息子が描いた油絵が目に入る。本当は父も油絵で生計を立てたかったが叶わず、母親は出ていったと。生活の為になんのこだわりもなく挿絵の仕事をしていた、と。単価の安い仕事をたくさんこなさないといけなかったので、一緒に遊んだ記憶もない。

父親のそんな生き方、ずっと嫌だったけど、結局自分も同じことしている、という息子。

馬締は「お父様はこだわりを持たないことに、こだわられていたのだと思います。」と話し出す。辞書の図版はこだわりの強い人には依頼しない。本質を的確にかける技術を求めている。辞書が改定されても見出し語がなくならない限りは使い続けられる。

「時代が変わって修正が必要な時は、あなたがいます。お父様のあなたの合作は辞書の中に残り続けます。こだわってもらわなくて、ありがとうございます。」と馬締が言うと、息子はしんみりとした表情になる。

馬締さんって淡々と人に話すとき、その人に伝わりやすい言葉を選んで、使っています。初回に馬締めさんが「言葉は選び方と使い方」言っていた、そのものですね。

みどりが遺影の写真が下を向いていることを質問すると、息子は写真がなかったので自分が赤ちゃんの時に抱いて、下を向いて笑っている写真を切り取ったのだと元の写真を見せてくれた。

そこには、天然パーマの赤ちゃんが。息子は3歳くらいの頃まで巻き毛だったらしい。「お父さん、すごくこだわってました。俗用の方のこだわり、で良い意味の方です」と言って馬締めと「赤ちゃん天パ問題」と顔を見る。

帰社したみどりは、赤ちゃんが天パの図版を息子にメール添付して送信する。そのメールを見た息子は涙があふれる。

第4話感想ネタバレ後編のまとめ

図版での親子の想いが伝わる素敵な回でした。言葉では伝えきれなかった父親は図版で想いを残していたのですね。

父親の想いを知ることができた息子は、また同じ絵の道で何を残していくのでしょうか。

丁寧な脚本に、気がつかないとこもありながら何度も見直していくうちに、あーそういうことだったんだ、と思うことが多いドラマです。

次回も楽しみですが、是非再放送も見直していただきたいです。きっと新しい気づきを見つけることができると思います。

感想前編はこちらからhttps://tvfreakchannel.net/funeoamu4-1139

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