向井理が奥深い語釈をするドラマ、第3話感想

NHKBSプレミアムドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」第3話感想です。

向井理が奥深い語釈をするドラマでみどりは馬締家へ引っ越す

みどり(池田エライザ)は、馬締(野田洋次郎)と妻・香具矢(美村里江)が住む、一軒家で元下宿屋へ引っ越す。

縁側があり、懐かしい雰囲気の一軒家。おばあちゃんの家を思い出す感じです。

香具矢はみどりに13年前に馬締がくれた便箋15枚のラブレターの話をする。馬締は編集部の人達に自信がないのでと、見てもらっていたので、みどりが見てもいい、と。

15枚も読むの大変ですよね。でもラブレターを書くなんて今の時代ではほとんど聞かないですよね。もらったら衝撃かも。と同時に一生懸命さに、うれしさも感じるかもです。

13年前というと、ちょうど辞書『大渡海」を立ち上げた頃。その頃から馬締は度々「言葉の国」へ行っちゃってた、らしい。

香具矢は、この人なら、自分が「料理の国」に行っても好きな時に帰ってこれる、好きな時に行きたいけど好きな時に帰ってきたい、私はわがままだから、と。

『言葉の国』『料理の国』って、センスが光る表現ですね。

向井理が奥深い語釈をするドラマで元辞書編集部員は西行(さいぎょう)?

みどりは、社外編集者の荒木(岩松 了)と日本語学者の松本(柴田恭兵)に、馬締家に引っ越したことを話すと、夏目漱石著書「こころ」の再現だな、と三角関係の話になる。

三角関係という言葉は知っていても実際に体験しなければ苦しみも悩みも自分のものにはならない、常に「実践、思考」の繰り返しなので、馬締にそのドロドロを体験せよと云う。

体験に勝るものはありませんが、三角関係の体験を辞書の為にとは、…できませんね。しかも、馬締さん、マジメだし。

是非今の若者に全部読んでほしい、と松本先生。みどりは「遺書が長すぎて、こわっ」というと、松本・荒木・馬締は「デジャブウー」だ、と驚く。「遺書が長すぎて、マジうけた」だったけど、と。以前同じことを言った人がいたらしい。

もう一人の編集部員がいたらしいが、馬締め曰く、彼は今旅に出ています、西行(さいぎょう)です。みどりは「西行」を辞書でひく。

同じことを言ったもう一人の社員さんとは、向井理さんでしょうか。どんな役柄でしょうか。

【西行(さいぎょう)】とは、平安末・鎌倉初期の歌僧、と辞書に記されていた。

向井理が奥深い語釈をするドラマで、専門家へ語釈を執筆依頼

『やなせたかし』さんの話になり、国語辞典では亡くなってからしか辞書に採用されない事をみどりは知る。生きている間だと職業などが変わり、語釈が変わってくるからだ。

みどりは「変わるってことなんだ、生きるって」と言う。皆は、はっとした顔をする。

亡くなってからしか辞書に採用されない。知りませんでした。ということは現在偉業を更新中の大谷選手でさえ、生きている間は辞書には採用されないのですね。

『水木しげる』さんの執筆依頼をお願いしていた秋野教授(勝村政信)から膨大な量の語釈が届いた。執筆要領を添付していたが膨大な量の文章が送られてきた。※執筆要領とは、どんな情報を何文字数でどういう掲載で盛り込んでいくかを詳細に示したもの

水木しげるさんは辞書に採用なんですね。膨大な量って、よっぽど詳しく書いちゃったんでしょうね。大ファンなのかな?

固有名詞などの専門性の高い百科項目は、それぞれの専門家へ依頼する。漫画文化論が専門の秋野教授は、他のものも執筆してもらっているがいつもは執筆要領内の文章である。

あまりにも膨大な文章なので、馬締サポートでみどりがまとめ、秋野教授へ返信した。

馬締は『西行』を思い出した。もう一人の編集部員と『西行』の語釈をまとめていた時に語釈に血を通わせる大切さを学んだ、とみどりに話す。

その後、執筆者の先生から「執筆に手を加えるな!」と激オコ(激怒)されたが、彼(もう一人の編集部員)が全てを一人で納めてくれた、と。

秋野教授も激オコの予感ですね。執筆に手を加えられて喜ぶ執筆者はいませんよね。

向井理が奥深い語釈をするドラマで、水木しげる愛の語釈

運悪く、みどりがひとりだけの辞書編集部に秋野教授から激怒の電話がかかってくる。

やっぱりです。(笑)

馬締は言語学会出張で秋田へ、大学生の天童(前田史郎)は試験中、事務員の佐々木(渡辺真起子)は有給休暇。馬締に連絡しようとするが、携帯電話を持っていない。

馬締めさんがいつも携帯していた電話らしきものは、写真を撮るためだったらしいです(笑)

そこへたまたま馬締から公衆電話がかかってくる。みどりは秋野教授が激怒し、呼び出されていることを伝え「激オコ・スティック・ファイナリアティ・プンプンドリーム、レベルです!」と言うと、用例採集の為みどりの言葉をメモしだす馬締。

笑っちゃうほど、事実の出来事より言葉の方に興味が高い馬締さん。

みどりは秋野教授へ甘い物を手土産に謝罪に行くが、一言一句そのまま使用しないと今まで渡した原稿も全て引き上げると言われる。

困り果てたみどりの前に、もう一人の編集部員・西岡正志(向井理)が現れる。改めて、秋野教授のプロフィールをみると生粋の「水木しげる」ファン。いえ、それ以上。

ここで、西岡役の向井理さん登場です、かっこいいです。

西岡は、馬締が妻に送ったラブレターは妻への想いを全部伝えたくて15枚もの便箋になった。夏目漱石の「こころ」の遺書は、自分を慕った若い人に自分の全部を伝えようとして残した手紙。

秋野教授も自分よりも大切な水木先生への想いを伝えたかったのではないか、と。

教授は幼かった苦しい時代、水木しげるの本で救われた話を西岡とみどりに話してくれた。

西野は教授の話を聞いた後「先生のすべての想いを伝えることは無理です。辞書は入り口です。水木しげるの入り口にふさわしい言葉とは?」と問うと教授は落ち着いて、端的な言葉を記す。

少年が図書館で水木しげるの本を開くシーンに、魅せられました。しかし西岡は思慮深い!馬締がリスペクトするのもわかります。

向井理が奥深い語釈をするドラマで、みどりの語釈は変わる、生きる

辞書用の紙にぬめり感が無くなった原因は『しょうしき』で、工場が変更になったことで変わり、さらに担当者が定年退職になったことで、ぬめり感という概念がうまく継承されていなかった。と、製紙会社営業マンの矢本が教えてくれる。

みどりが担当に選任されるが、私はまだ…と返事をせず。矢本が言っている意味がわからないままだった。

全く違う部署に入って間もなく、「紙」の専門的な用語を並べられてもわからなくて当然です。躊躇する気持ちもわかります。

一連の秋野教授の「水木しげる問題」が納まり、ふとみどりが机を見ると馬締が書き残した用例採集カード置いてある。「生きる、変わる by岸辺さん」それを見たみどりは、紙の担当になります、と宣言する。

「変わるってことなんだ、生きるって」と冒頭に言っていたみどり。本当にそうですね、皆、生きているうちにどんどん変わっていますよね。

※用例採集カード…初めて知った言葉と使用例を書き込むメモ

第3話の感想まとめ

西行(さいぎょう)の語釈には、西岡が提案した『遍歴をする人』を残している。

例えば居場所が無くてふらふらして不安を持った人が辞書を見た時、あー昔からこんな人が居たんだと心強く思うのではないか、と。

【へんれき】遍歴①諸国を回って歩くこと②いろいろな経験をすること

馬締が語っていた、血の通った語釈とはこのことだったんですね。

みどりの最初の「入口」は【なんて】だった。2番目の入り口は【しょうしき】

みどりは『自分を知る』のページを開き、次に『生きる』ページを開いたんですね。

ほんとに奥深いドラマです。1話づつ丁寧に意味深い言葉を解いていくドラマ。来週も楽しみです。

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