宮崎あおいさん主演で最終週のユーミンストーリーズドラマ「春よ来い」感想後編
NHK夜ドラNHK総合 毎週月曜日~木曜日 午後10:45~11:00 NHKプラスで見逃し配信、金曜日の11時45分~(1週間分を続けて放送)
白鳥玉季が出演するドラマで、演じる孤独な中1の多英
騒がしい中学校の女生徒しかいない教室で窓際の席で、ひとり本を読む上原多英(白鳥玉季)は、深海るい(山崎七海)というひとつ年上の友人が唯一の友人。
もの静かな多英はクラスにはなじんでいない様子です。まさかのまさか…〇じめの対象?それにしても白鳥さん、白鳥と言う名字がぴったりの透明感のある若手女優さんですね。美しいです。
女子校って楽しさもあるのですが、女子特有の仲間外しも色濃いかもしれませんね。唯一の友人・るいもひとりぼっちっぽいです。
スノードーム作家の叔母・なりみは、多英が学校から帰ると(小野花梨)の元気な声で出迎えてくれる。台所に立っている祖父・谷川草平(きたろう)は食事の支度。
風呂上がりになりみから呼び止められる多英。なりみの部屋に入ると文豪シリーズのスノードームを見せられる。なりみの部屋の仏壇に目が行き、二人仲良く映った写真を見つめる。
誰なんでしょうか。多英は祖父・草平と叔母・なりみと暮らしているので、写真の二人は両親?かもしれません。
個人的に大好きな小野花梨さん、今回は元気で天真爛漫な芸出家役なんですね。ファッションも個性的で可愛らしいです。
白鳥玉季が出演するドラマで、演じる多英の学校生活
多英が教室に入ると、多英の椅子が無い。前方にぽつんと椅子が置いてある。プリントを配布する際も、意地悪が色濃い態度。多英は淡々としている。
これは間違えなく、〇じめ、ですね。胸が痛いシーンでした。
授業参観に多英の祖父・草平が来た。授業の最中、草平が咳を我慢しようとするが、咳が止まらない。嗚咽も出だす。生徒たちは多英のお爺ちゃんだよね、とクスクス笑いながら陰口を言い出す。
また更に〇じめのネタになってしまいます。可哀想な多英。
授業参観の話で囲む3人。草平は授業の内容が納得できなかったとなりみに話す。多英はだまっているだけ。
祖父は自分が咳きこんだことで、多英に悪影響だったことには気がつかなかったんですね。むしろ多英的には行かない方が良かったのだけど、祖父的には行ってあげたかったんだと思います。
次の日学校で多英が立って教科書を朗読している最中に、咳の真似をされて、からかいの対象にされる。手紙が回ってきてその紙には咳込んでいる祖父の絵と陰湿な悪口がたくさんと書いてる。
後ろの席の子がにやにやと笑っているのが、本当に嫌なシーンです。いじめって誰も気持ちが良くならないのに、なぜなくならないのでしょうか。集団心理って恐ろしいです。
白鳥玉季が出演するドラマで、小野花梨演じる叔母なりみ
学校では相変わらずの陰湿ないじめがあり、とうとう学校へ行かなくなった多英。唯一の友人・深海るいとだけはSNSがつながっている。
叔母・なりみは免許を取ったので多英と海辺にドライブに行くことに。
すごいレトロな左ハンドルの黄色い車なんです。ルパン三世のルパンが乗ってたみたいな小さい車。絵に描いたような可愛い車。乗り心地は良くなさそう(笑)
次の日遊覧船に乗ろうと宿泊施設を探していると、『ペンションきぬがさ』の看板が。
ここで接点ができるんですね。雄大のペンションです。海辺の可愛いペンション、黄色い可愛い車とセットみたいで素敵な組み合わせ。
休業中だけど泊めてくれることになり、多英・なりみ・雄大・雄大の父と夜に焚火を囲む。なりみは世間話をするが多英はだまっているだけ。
ここで、不思議なことが起こり『あれ』の力が発揮される?のかしないのか。そもそも『あれ』って存在するの?
このペンションに居たことで、沈んでいたはずの多英はなぜか大丈夫な気がしてきた、となりみに伝える。
それは『あれ』の力が通用したのでしょうか。そこは観る人の感性です。このドラマ、すごく深いです。説明しようがありません。ひとそれぞれ受け止め方が違うと思います。
ちなみに雄大の父はそもそも『あれ』なんて信じてないと言ってます。
白鳥玉季が出演するドラマで、カナコが願ったこと
一方、千崎とカナコもドライブで海辺で行き、翌日の朝日を見ることに。
早朝目が覚めたとき、ひとりで車の外にでるカナコはママのことを想い、あの人(父親の妻)が死んだのはママのせいじゃないよ、とつぶやく、という夢。
その先にいたのは、なぜか多英。
え?なんで?同時進行で進んでいたはずの物語は、ここでリンク?
これはもう、観た人の受け止め方次第なんだと思います。美しい海辺の朝日と、宮崎あおいのもの静かで、心に響く語りが、このドラマの醍醐味なんだと感じます。
千崎とカナコは美しい朝日を眺め、車での帰り道に『春よ来い』の曲が流れる。ママの好きな曲。
「誰かの幸せを願うとき、自分が幸せなんだと気がついた」とナレーション。
最後にユーミンの曲が流れ、叶ったか叶わないかわからないなら何度でも願えばいいんじゃない、という雄大の言葉がとても重みがあると思いました。人の幸せを願うって素晴らしいことですよね。
ユーミンストーリーズドラマ「春よ来い」後編まとめ
すごく深い意味の構成で人それぞれの受け止め方で違ってくると思うドラマです。涙腺崩壊、なんて感じのドラマではないですが、心がじんわり暖かくなるような、心に『春が来る』ようなドラマだと思います。
なりみから多英へ贈られたのは、桜が舞い散るスノードーム。素敵な演出です。
是非、金曜日の再放送を観ていろんなことを感じていただければと思う深く、魅力的なドラマです。
原作も脚本も製作も本当に素敵で、3週連続のユーミンストーリーズの中では一番幻想的だったと思います。
感想前編はこちらです。よかったら読んでください。
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